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ブレグジットと欧州統合の未来

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ブレグジットと欧州統合の未来

2020年1月31日、英国は欧州連合EU)から離脱しました。これは、2016年に行われた国民投票で、僅差で離脱派が勝利した結果です。英国のEU離脱ブレグジット)は、70年にわたる欧州統合の歴史において、初めての加盟国の脱退という前例のない出来事でした。ブレグジットは、英国だけでなく、EUや世界にも大きな影響を与えています。本記事では、ブレグジットの背景と結果について、英国とEUの立場や課題を考察します。

ブレグジットの背景

英国は、1973年にEUの前身である欧州経済共同体(EEC)に加盟しました。しかし、英国は、EUの政治的な統合や通貨統合には参加せず、EUに対する懐疑的な姿勢をとってきました。英国は、EUからの自由貿易や市場アクセスなどの経済的な利益を享受しつつ、EUの法規や予算には不満を抱いてきました。また、EU域内からの移民の増加にも反発を示してきました。

2013年には、デーヴィッド・キャメロン首相が、EU残留か離脱かを問う国民投票を実施すると約束しました。これは、EUに対する批判を強める極右政党の英国独立党(UKIP)や保守党内の離脱派の圧力に応えたものでした。キャメロン首相は、EU残留を主張しましたが、2016年6月に行われた国民投票では、離脱派が51.9%の票を獲得し、僅差で勝利しました。この結果により、キャメロン首相は辞任し、テリーザ・メイ首相が後任となりました。

メイ首相は、2017年3月にEUに対して離脱通知を行い、2年間の離脱交渉を開始しました。しかし、離脱の条件や期限に関する交渉は難航し、英国内の政治も混乱しました。メイ首相は、3度にわたってEUと合意した離脱協定案を議会に提出しましたが、いずれも否決されました。そのため、離脱期限は何度も延期され、メイ首相も辞任に追い込まれました。2019年7月には、ボリス・ジョンソン首相が後任となりました。

ジョンソン首相は、EUとの再交渉を行い、北アイルランドの国境問題などについて修正した離脱協定案を議会に提出しましたが、これも否決されました。そのため、ジョンソン首相は、離脱を公約に掲げる保守党を勝利に導くために、2019年12月に総選挙を行いました。総選挙では、保守党が圧勝し、議会の多数派を確保しました。これにより、ジョンソン首相は、離脱協定案を議会で可決させることに成功し、2020年1月31日に英国はEUから離脱しました。

ブレグジットの結果

英国のEU離脱は、英国にとっても、EUにとっても、世界にとっても、大きな結果をもたらしています。英国は、EUからの自由貿易や市場アクセスなどの経済的な利益を失うことになります。また、英国は、国連安全保障理事会常任理事国かつ主要なパートナーが去ったことで、EUの地位や影響力を低下させることになります。さらに、英国は、西側諸国の戦後秩序を作り替える可能性も秘めた衝撃を与えることになります。

英国は、EU離脱後も、EUとの関係を維持するために、新たな自由貿易協定(FTA)や協力協定を交渉する必要があります。しかし、これらの交渉は容易ではありません。EUは、英国に対して、FTAの条件として、EUの法規や基準に従うことや、水産資源の分配などに合意することを求めています。英国は、これらの要求に反発し、自国の主権や自由を守ることを優先しています。両者の間には、大きな隔たりがあります。

英国とEUの間では、2020年12月31日までに新たなFTAを締結することを目指していますが、その期限は非常に厳しいものです。もし、期限までにFTAが締結されなければ、英国とEUの間の貿易は、世界貿易機関WTO)のルールに基づいて行われることになります。これは、関税や検査などの障壁が増えることを意味し、両者の経済に大きな打撃を与えることになります。英国とEUは、FTAの締結に向けて、柔軟に対応することが必要です。

英国のEU離脱は、英国内の統一にも影響を与えています。英国は、イングランドスコットランドウェールズ北アイルランドの4つの地域から構成されていますが、これらの地域は、EUに対する姿勢に違いがあります。2016年の国民投票では、イングランドウェールズは離脱派が多数を占めましたが、スコットランド北アイルランドは残留派が多数を占めました。これは、英国内の地域間の対立を深めることになりました。

特に、スコットランド北アイルランドは、英国からの分離や独立の動きを強めています。スコットランドは、2014年に独立を問う住民投票を行いましたが、反対派が勝利しました。

「ブレグジット」という激震 混迷するイギリス政治 [ スティーブン・デイ ]

ブレグジット」と題された本書は、著者スティーブン・デイと力久昌幸により、2016年6月23日の国民投票から2020年までの期間にわたり、イギリスのEU離脱の経緯とその影響を詳細に描写しています。352ページの単行本で、価格は3,850円(税込)で、送料は無料です。出版社はミネルヴァ書房で、発売は2021年2月9日頃。本書は、国民投票離脱交渉、国内政治などの政治的出来事と過程を通して、EU離脱の背後にある要因やその影響に焦点を当てています。章立ては序章から終章まで、ブレグジットの視点や難問、メイ政権期の混乱、ジョンソン政権の登場から離脱の実現、政党政治の再編成、領域政治への影響、そして離脱後の展望まで幅広く取り上げられています。読者には、離脱決定の背後にある様々な要素やその後の政治の再編成について深く理解する手助けとなるでしょう。