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南アフリカのアパルトヘイト撤廃

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南アフリカアパルトヘイト撤廃

南アフリカのアパルトヘイトとは、1948年から1994年まで行われた、白人と黒人を厳格に分離する人種差別政策です。この政策は、白人に権利と特権を与え、黒人に不平等と不自由を強いました。しかし、黒人や国際社会の抵抗運動によって、この政策はついに廃止されました。南アフリカアパルトヘイト撤廃の歴史とその意義について、以下に紹介します。

アパルトヘイトの施行とその影響

南アフリカは、17世紀からオランダやイギリスなどのヨーロッパ諸国によって植民地化されました。その過程で、先住民の黒人と白人の入植者の間には、経済的・社会的・政治的な対立が生じました。1948年に、白人の国民党が政権を握ると、アパルトヘイト(隔離)という政策を打ち出しました。この政策は、以下のような内容でした

  • 国民を白人・黒人・カラード(混血)・アジア人の4つの人種に分類し、それぞれに異なる法律や権利を適用した。
  • 黒人には、白人の所有する土地の7%しか住むことができない「居住地域法」を制定した。
  • 黒人は、白人の地域に住む・働く・移動する場合には、特別な許可証(パス)が必要になる「パス法」を制定した。
  • 白人と黒人の間の結婚や性交渉を禁止する「雑婚禁止法」や「背徳法」を制定した。
  • 黒人は、白人と同等の教育を受けることができない「教育法」を制定した。
  • 黒人は、白人と同じ公共施設や交通機関を利用することができない「隔離施設法」や「隔離交通法」を制定した。

このように、アパルトヘイトは、白人の優位性と黒人の劣位性を法律で固定化し、黒人に対する差別と暴力を正当化しました。アパルトヘイトの影響で、黒人は貧困や病気に苦しみ、教育や就業の機会を奪われ、人間としての尊厳を踏みにじられました。

アパルトヘイトに対する抵抗運動

アパルトヘイトに対して、黒人やその他の人種の人々は、さまざまな形で抵抗運動を展開しました。代表的な抵抗運動の団体としては、アフリカ民族会議(ANC)や南アフリカ共産党(SACP)などがあります。これらの団体は、非暴力的なデモや罷業、不服従運動などを行いましたが、政府はこれらを弾圧し、多くの犠牲者を出しました。有名な事件としては、1960年に発生したシャープビル虐殺や1976年に発生したソウェト蜂起などがあります

アパルトヘイトに対する抵抗運動は、国内だけでなく国際的にも広がりました。国連は、1962年に南アフリカに対する武器禁輸を決議し、1973年にアパルトヘイトを犯罪と宣言しました。また、多くの国や市民団体は、南アフリカとの貿易や投資、スポーツや文化交流などをボイコットする運動を展開しました。特に、1980年代には、アメリカやイギリスなどの主要国が経済制裁に加わり、南アフリカの経済は大きな打撃を受けました。

アパルトヘイトの撤廃とその後の展開

アパルトヘイトに対する国内外の圧力によって、南アフリカ政府は次第に改革に動き出しました。1989年に就任したデクラーク大統領は、アパルトヘイトの関連法を廃止し、反アパルトヘイト運動の指導者であるネルソン・マンデラを釈放しました。そして、ANCやSACPなどの政治団体との交渉を開始し、1991年にはアパルトヘイトの全面的な撤廃を宣言しました。1993年には、政府と反アパルトヘイト運動の間で暫定憲法が合意され、1994年には初めて全人種による総選挙が行われました。この選挙で、ANCが圧倒的な勝利を収め、マンデラ南アフリカ初の黒人大統領に就任しました。こうして、南アフリカアパルトヘイトは正式に終わりを告げたのです。

アパルトヘイトの撤廃後、南アフリカ民主化と和解の道を歩み始めました。マンデラ大統領は、白人と黒人の対立を和らげるために、真実和解委員会を設置しました。この委員会は、アパルトヘイト時代の人権侵害の被害者や加害者に対して、証言や告白の機会を与え、赦しや補償を行いました。また、1996年には、人種や性別などの差別を禁止する新憲法が制定されました。この憲法は、南アフリカの多様性と平等を尊重するものとして、世界的に高く評価されています。

しかし、南アフリカアパルトヘイト撤廃は、すべての問題を解決したわけではありません。

社会的な格差や暴力を生み出したアパルトヘイトは、南アフリカの歴史に深い傷跡を残しました。しかし、その傷跡を癒すために、南アフリカの人々は、勇気と希望を持って、民主化と和解の道を選びました。アパルトヘイトの撤廃は、人種や文化の違いを乗り越えて、平和と正義を求める人類の歴史において、重要な一歩となりました。南アフリカアパルトヘイト撤廃は、私たちに、人間の尊厳と多様性を守ることの価値と意義を教えてくれます。


以上が、南アフリカアパルトヘイト撤廃についての記事です。

【中古】 南アフリカのアパルトヘイト 世界はいま…8/マイケルエバンス【著】,轡田隆史【監訳】